Asian Lacquer Craft Exchange Program, in Myanmar
Workshops & Lectures 2011
2011年8月26日~28日
参加教員:約20名,学生:約25名
民間漆器工房関係者:約10名
漆芸技術大学(バガン)
講義:
・漆の化学分析に関するスライドレクチャー(大藪)
・ミャンマー漆器に使用される材料について(松島・大藪)
・漆の化学分析に関するスライドレクチャー(大藪)
・ミャンマー工芸品輸出の経験を語る(荒木)
・諸外国への食器としての輸出に関する諸条件と問題
・ミャンマー漆器デザインプロジェクト進捗状況
講師:
大藪 泰(京都市産業技術研究所企画情報室)
荒木かほる(ナンダウォン ジャパン代表)
Ken DILLON(早稲田大学)
松島さくら子(宇都宮大学)
1日目(2011年8月26日)
・「Overview Japan-Myanmar Lacquer Craft Exchange research Project 2005-2011」7年にわたり交流を行っている当事業の活動内容を振返るスライドレクチャーをおこなった。
・「Science of Urushi」と題し、大藪泰氏に漆の科学分析、硬化のメカニズム、漆の劣化と、車や建造物への漆塗装について講義をしていただいた。授業にて科学の見地から漆を扱うことがなく、学生や漆器屋にとっては新たな漆の知識を身につけることができたと考える。また、教員や漆器屋からの参加者からは、漆の乾燥時間調整について、漆の色味濃さ、発色、艶の調整について質問があがるなど活発な交流の時間となった。
2日目(2011年8月27日)
・「Prohibited Chemicals in Imported Tableware」では、DILLON氏にアメリカをはじめとする諸外国への輸出の際の食器に対する検査内容と検査対象の物質の毒性等について話をしていただいた。
・「Myanmar Lacquer Pigments and Materials」前年に松島がミャンマーから持ち帰った漆器に使用される顔料の分析結果(宇都宮大学地域共生研究開発センター先端計測分析部門松本太輝先生に分析していただいた)と、その顔料の成分について説明をした。顔料には、硫化水銀、硫化ヒ素が使用されているため、前出のDILLON氏の講義を受け、その毒性について警告した。代替として日本で広く使用されている無害の顔料について紹介した。
・「Creating, Exporting and Selling in Japan」と題し、ナンダウォンジャパンの荒木かほる氏に漆器の輸出と日本での販売経験について語っていただいた。販売に至る経緯と、販売におけるノウハウや、デザインの傾向などについて展開した。
3日目(2011年8月28日)
教員とのフリートーク
・午前、教員10名・漆器屋数名・学生15名が集まり、当事業の講義についての質問や意見交換を行った。特に、顔料の特性等について質問がでた。その他、今後も継続してほしい等の要望もでるなど、当事業がミャンマーの漆工芸に少なからずとも貢献できていると察する。
・大学内の漆芸美術館と、制作工程展示を見学した。展示解説担当者は現在3名おり、Daw Ei Ei Han氏と他2名おり、各展示品について説明を受ける。
活動について大学側と打ち合わせ
レクチャーの様子
大藪泰氏による漆の科学分析、硬化のメカニズムの講義
荒木かほる氏によるミャンマー漆器の輸出と日本での販売経験についての講義
DILLON氏に諸外国への輸出の際の食器に対する検査内容と対象物質の毒性についての講義