Asian Lacquer Craft Exchange Program, in Myanmar
Workshops & Lectures 2006
2006年1月3日~6日
参加教員:約15名,学生:約35名
漆芸技術大学(バガン)
講義:
・日本とミャンマーの漆工芸使用比較
・日本漆工芸映像の上映
・日本の美術教育・漆工芸教育
・中国・ベトナム・タイの漆産地訪問記録
演習:
・金箔絵技法
・色漆による椀の絵付け
講師:
登根円(漆芸作家)
林宏(東京芸術大学)
松島さくら子(宇都宮大学)
1日目(2006年1月3日)
・昨年のレクチャー・ワークショップのおさらい(松島・登根)
漆の基礎知識を紹介するスライドとワークショップの様子のスライド、日本とミャンマーの漆の使用例比較、ビデオ(日本の漆芸紹介, 伝統的工芸品産業振興協会編)
・日本の金箔技法ワークショップ(登根)
スタンプ下づけによる表現・あかし箔によるカット表現・砂子による表現を行った。
2日目(2006年1月4日)独立記念日のため 学校は休校
3日目(2006年1月5日)
・日本の美術教育・日本の漆芸教育について(林)
東京藝術大学のカリキュラムの紹介、芸大漆芸科の授業紹介、学生作品等の紹介を行った。
・色漆による椀の絵付けワークショップ
ミャンマー漆により色漆(12色)づくりとスケッチ・エスキースを行い、アイデアスケッチの発表。
4日目(2006年1月6日)
・中国・ベトナム・タイの漆芸産地訪紹介のスライド・ビデオ(人間国宝 磯井正美氏の技法・制作紹介)(松島)
・色漆による椀の絵付けワークショップ
筆を使用することになれていない学生の練習としてチタンにより下書きをおこなった後、昨日作成した色漆にて椀に各々の絵付けを行った。
第2回ワークショップ・レクチャーを通して
・11月下旬に事前にバガンを訪れ打ち合わせ行っていたので、大学側も協力的で材料や道具の準備が整い、スムースに授業をすすめることができた。学生30名、教員15名、及び同大学顧問である漆芸工房オーナーも出席していた。
・日本の漆の紹介、日本の金箔技法、漆絵、日本の漆芸教育等、また日本の漆芸を紹介するビデオ(磯井正美氏の蒟醤制作記録と日本の漆芸概要)を紹介するなど幅広い授業となった。
・学生は、ミャンマー式金箔技法の基礎は学ぶが、金箔が高価なため授業では金箔を使用していないため、初めて金箔を扱う体験となった。箔あかし、砂子等金箔のバリエーションを紹介した。使用した金箔は漆器工房オーナーからの寄付によるものであった。
・学生は、筆を使用し描く経験が少なく、また自由な創作経験もない。学校では図画工作や美術といった授業もないという。椀上に各自が椀を使用する状況をイメージし、アイデアスケッチをおこし、プレゼンテーションをさせた。人前で発表することはほとんどおこなってきていない学生は、恥ずかしがって立ち上がろうとしないため、3人づつグループでプレゼンを行うこととした。自分の考えを他人に伝えることや他人の考えを理解することを目標とした。
・学生・教員ともに、色漆の調合・和紙による漆濾し・筆を使用した色漆と金箔による絵画的表現を体験した。
・教員・学生から、「日本の漆芸技術を学ぶとともに、異なった表現方法や自己表現のアプローチ試みなど、貴重な授業であった」「来年以降も続けてほしい」「短期間ではなく、まとまった期間滞在して教えてほしい」「外国の漆について教えてほしい」などのリクエストがあった。
第2回ワークショップ・レクチャーの様子
日本の金箔技法ワークショップ
絵付けのデザイン考案
色漆による椀の絵付けデザインの発表
顔料と漆を調合した色漆にて各々の絵付けをしていく
学生の作品