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アジア漆工芸学術支援事業について

事業内容

 アジア漆工芸学術支援事業は、ミャンマーを中心に漆工芸の現状調査をはじめとする調査研究活動と、漆器産地における漆工芸教育交流活動を通し、日本とアジアの相互理解を深め、漆工芸の発展を目指す目的で、ミャンマー協会からの委託研究事業として2002年(平成14年)にスタートした。日本各地の漆工芸教育に携わる漆工芸作家・研究者によって構成されている。2011年(平成23年)には、ミャンマーから東南アジアへ対象地域を広げ、アジア漆工芸学術支援事業と名称を改称した。
 東南アジアの漆工芸は、ミャンマー・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア・ブータンなどの国において、人々の生活の中や宗教と密接に関わって発展してきた。しかしながら、不安定な経済・政治情勢の中、新たな市場を目指した漆器開発や漆工芸表現が困難な状況であり、自ら現状を客観的に認識し分析する機会が少なく、新たなる目標をたてその達成を目指した創作的な活動をおこす環境が乏しい。また、経済の発展や急激な環境の変化により、人々の漆工芸に関する関心は低くなりつつある。
 以上のような状況から、当事業の具体的活動として、1・工芸教育機関等での漆工芸交流、2・漆工芸作品・漆器デザイン提案、3・アジア漆工芸の調査研究、4・漆工芸作品の交流を行う。上記の現地活動を通し、日本の漆芸表現や技術の紹介し、アジアの漆工芸(現段階では東南アジア)の現状を日本に紹介し、漆工芸の可能性・素晴らしさを広く伝え、日本とアジアの漆文化の発展漆工芸の可能性を提唱していくことを目標とする。

事業計画

1・工芸教育機関等での漆工芸交流
・ワークショップ・レクチャープログラムを通した漆工芸教育支援交流
・次世代を担うリーダー育成のための、漆工芸若手教員の日本での研修
・漆工芸に関する共同研究

2・漆工芸作品・漆器デザイン提案
・日本・アジアの漆工芸技術表現の実践研究と作品提案
・ワークショップ・レクチャーを通した漆器デザイン提案

3・アジア漆工芸の調査
・a.教育文化、b.生産、c.材料と用具、d.歴史の各視点から現地調査を行い、地域との関わり、日本の漆工芸との類似点・相違点を明らかにしていくことで、現状を把握していく。

4・漆工芸作品の交流
・各国漆工芸作家の交流作品展示

今までの活動

 2002年より、ミャンマー・タイ・ラオス・ベトナム・ブータンにて、現地視察・調査活動を開始し、平成2004年より9回にわたりミャンマーバガンの漆芸技術大学にて漆工芸教育支援交流活動(ワークショップ・レクチャー)を行なっている。内容は、日本をはじめ諸外国の漆工芸の紹介、蒟醤・沈金・変り塗りなどの技術交流、漆デザイン開発、漆と漆材料の化学などについてである。2006年〜2010年にはミャンマーの若手教員3名の日本での研修を行なった。
 また、2011年にはラオスのルアンパパン美術学校にて、交流活動を開始した。漆工芸の伝統技術がほとんど途絶えてしまったラオスにて、美術学校の学生や人々の関心が高まるよう内容を吟味し、レクチャーとワークショップを行なった。
 現地活動の記録を宇都宮大学(紀要)、日本文化財漆協会(会報)、漆を科学する会(講演発表)、漆サミット(ポスター発表)、大学美術協会(発表)、『漆の可能性を探る 12章』塗装技術 (2010年)、その他 International Asian Lacquer Symposium, Buffalo State University of New York (2013年)、The Second International Conference Programme “Study of Oriental Lacquer Initiated by H.R.H. Princess Maha Chakri Sirindhorn for the Revitalization of Thai Wisdom” Bangkok (2015年) にて成果発表を行なった。

これからの活動

 ワークショップ・レクチャーを継続し、日本とアジアの漆工芸の交流を途絶えることのないよう、根気づよく継続的な交流をおこなっていくことが重要だと考える。事業の活動で得られた成果は、漆工芸に関する学会や研究会・授業・講演会・ワークショップ・作品発表(展覧会)等を通じ、積極的に日本・及び周辺諸国の地域社会に還元し、地域社会と双方向性のコミュニケーションをはかりながら、地域伝統産業における工芸教育の役割と、これからの漆工芸表現の発展と可能性を具体的に提唱していきたい。
 2015年より、ミャンマーのみならずカンボジア、タイ、ベトナム等の漆工芸のある国々へ活動範囲を広げていく予定である。




IMG_0057.jpgミャンマーの代表的な漆器

P1000771.jpgミャンマーの漆の木

016WS.JPGミャンマーでのワークショップの様子

015WS.JPGミャンマーでのワークショップの様子

P1030996.jpgミャンマーでのワークショップの様子

お問合せ

アジア漆工芸学術支援事業に関するお問い合わせは、以下の事務局まで、メールにてお願いいたします。

アジア漆工芸学術支援事業
〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350 宇都宮大学教育学部 工芸研究室
E-mail: info@asian-urushi.com